雪の日は飲酒運転をしていけない 〇か✖か

答えは✖。晴れの日も、飲酒運転はしてはいけません。
今日は、自分が救急隊・救助隊として活動する中で特に多かった事案を紹介します。
雪の日は、当然ながら交通事故が増えます。 特に年の瀬の夜には、ある事案が頻発します。
飲酒運転が引き起こした悲劇
「救急救助指令です。現場にあっては〇〇。乗用車の単独事故で要救助者にあっては40代男性――」
現場に到着すると、横転した軽乗用車が雪の上にスリップし、歩道に乗り上げていました。運転手は車内に取り残されています。
声をかけると反応あり。しかし、高エネルギー外傷の疑いがあるため、全脊柱固定を行い慎重に救助しました。
救急車に収容し、事情を聞くと――
「忘年会の帰りだった。ビールを4本くらい飲んだ」
そう、飲酒運転でした。
一、救急隊員として
自分は救急隊員として、傷病者のために全力で活動します。
飲酒運転の善悪を説くのは、自分の仕事ではありません。
だが、彼を観察すると――
「手が痺れる……胴から下の感覚が無い……」
脊椎損傷でした。
もう二度と、自分の足で歩くことはできません。
搬送中、彼はずっと「背中をさすってくれ」と頼んできました。
2時間近く、ずっと背中をさすり続けました。
飲酒運転は自業自得だが
自分は人の気持ちを読み取るのが苦手な癖に、つい感情移入してしまいます。
この方の家族は、今後、歩けなくなった彼とどう向き合っていくのか――
ひどく、いたたまれない気持ちになりました。
飲酒運転の事故は、自業自得。
そう割り切れる人のほうが、消防隊員としての適性があるのかもしれません。
傷ついた人を見て、自分も傷つくようでは、神経をすり減らしてしまう。
飲酒運転は“日常”のこと
自分が出場した雪の日の交通事故事案、一時はそのほとんどが、飲酒運転でした。
こんなケースもありました。
「飲み会の帰りに車に乗ろうとして、ドアを開けた反動で滑って転んで腕を折った」
飲酒運転をするつもりで、その直前にケガをした人までいました。
雪の日は、飲酒運転を日頃からしている人が“炙り出される”日なのかもしれません。
田舎に残る飲酒運転の“文化”
当然、晴れていても飲酒運転はいけません。
しかし、田舎の集落では、飲酒運転で検挙されることはまずない。
軽トラのドリンクホルダーに、堂々とアルコール飲料が置かれている――。
そんな光景も珍しくありませんでした。
というか今でもよく見ます。
だけど、最近は飲酒運転事故が少しずつ減ってきたと感じます。
それは、国の広報の成果でしょうか。
車の性能向上でしょうか。
あるいは、高齢者の間で「安全運転」の意識が広がっているからかもしれません。
改めて考えてほしい
不幸中の幸いと言っていいのか分かりません。
自分が出場した事案では、飲酒運転の事故で、歩行者を巻き込み重傷を負わせたケースはありませんでした。
対向車と衝突し、相手方が軽傷を負った事故はありましたが。
死亡事故ばかりニュースになっていますが、ニュースにはなっていないだけで悲劇は日常に潜んでいる。
それは意識一つで防げることもあります。
飲酒運転がどれほど危険な行為か、改めて考えてほしいです。